2024/12/16
近頃、寒さ対策や乾燥対策として加湿器を使う方が増えていますが、中には「スチーム式加湿器って動き始めてから加湿が始まるまで結構時間がかかるよね?」と感じている人もいるはず。確かに、スイッチを入れた途端にモワッとした蒸気が出てくる超音波式や気化式と比べると、スチーム式は「待ち」の時間が目立ちます。
でも、ちょっと考えてみてください。
スチーム式の仕組みは「水をヒーターで温め、沸騰させて水蒸気を発生させる」というものです。要するに、「ポットでお湯を沸かす」プロセスとほぼ同じ。やかんに水を入れてコンロにかけても、数秒でお湯が沸くことはありませんよね? 沸騰させるにはある程度の熱量と時間が必要です。同様に、スチーム式加湿器も冷たい水をヒーターで温めて、やっとこさ沸点まで持っていき、その上で水蒸気を発生させるのだから、時間がかかるのは当然といえます。
1, 立ち上がりの遅さ
水を沸騰させる必要があるので、稼働開始から加湿開始までにタイムラグが生じる。
2, 衛生面での安心感:
一方で、沸騰過程を経ることで雑菌が死滅しやすく、比較的クリーンな水蒸気が発生するメリットがある。
3, 安定した湿度コントロール
沸騰による水蒸気は比較的安定した湿度を提供しやすく、室温が高めの環境では効率的に湿度を上げることができる。
「早く加湿したい!」と思うなら
もし「すぐに加湿したい」「待っていられない」という場合は、超音波式や気化式など、加熱を伴わない方式の加湿器を検討すると良いかもしれません。これらは、スイッチを入れてほどなくミストを放出します。ただし、その分、水質に気を遣ったり、フィルター交換の手間があったりと、別の手間やコストが発生することも。
スチーム式加湿器は「水を沸騰させる」ステップを踏むため、どうしても立ち上がりが遅くなります。
でも、それは欠点ばかりではありません。沸騰による清浄性や、安定した加湿力といった利点もあるのです。
時間がかかるのはごく自然なこと、それこそ「沸騰」という物理的プロセスが関わっているからこそ――と、ちょっとした物理の授業を思い出しながら、長い目で楽しんでみてはいかがでしょうか。