2024/12/16
冬になると気になる乾燥対策として、加湿器の導入を検討している方は多いことでしょう。
しかし、加湿器にはスチーム式、気化式、ハイブリッド式、超音波式などさまざまな種類があり、それぞれ特性が異なります。
その中でも「スチーム式は電気代が高くつく」とよく言われますが、いったいなぜなのでしょうか?
スチーム式加湿器は「ポット」を沸かし続けるイメージ
スチーム式加湿器は、水を内部で直接沸騰させ、その蒸気を空間に放出する仕組みを持っています。これは、いわば「電気ポット(電気ケトル)」で常にお湯を沸かしているような状態です。
電気ポットはお湯を一定の温度に保つために熱し続ける必要があり、加湿器も同様にヒーターを稼働し続けるため、必然的に消費電力が高くなります。
気化式やハイブリッド式との比較
一方、気化式やハイブリッド式、あるいは超音波式は、必ずしも「熱」を利用して加湿するわけではありません。気化式では、フィルターやファンで風を当てて水を自然蒸発させたり、ハイブリッド式では加熱量を抑えたりと、ヒーターをフル稼働させない工夫がなされています。また、超音波式は振動で微細なミストを発生させるため、ヒーターはいっさい使用しません。
こうした仕組みの違いから、スチーム式は数百ワット(200~600W程度)かかるのに対し、他方式は数十ワット程度で済むことが多く、消費電力の差がそのまま電気代の差につながります。
電気代が積み重なるケースとは?
オフィスや商業施設などでは、複数台の加湿器を同時に、しかも長時間稼働させることがあります。たとえば、スチーム式を10台導入して常時運転をすると、その電力消費は気化式を同数台稼働させた場合に比べて数倍に及ぶ可能性があります。月単位、年単位で考えると、そのコストは無視できないものになります。
家庭で使う場合はどうなの?
家庭用として1台のスチーム式加湿器を短時間使う程度であれば、その電気代はそれほど大きな負担にはならないことも多いでしょう。スチーム式は加湿効果が高く、短時間で十分な湿度に達しやすいというメリットもあるため、手間や快適性を優先するなら選択肢になり得ます。
しかし、長時間の連続運転や、電気代を極力抑えたい場合には、他の方式を検討することがおすすめです。
スチーム式加湿器は、電気ポットのように常時ヒーターを稼働させるため、電気代が高めになる傾向があります。オフィスや商業施設での導入を考える場合、長時間の連続稼働や多数台の稼働で電気代が積み重なり、コスト面で不利になることがあります。
一方で、家庭用として短時間のスポット利用であれば、多少の電気代アップは許容できるかもしれません。「電気代重視」なのか、「短時間で効率的に加湿したい」のか、自分の使用環境やニーズに合わせて、最適な加湿器の方式を選んでみてください。